仙骨の怪しい話2

sen2仙骨を折ると身体がまったく動かなくなります。

仙骨どころか、仙骨の下にある尾骨が折れても身体は動かなくなってしまいます。

耳に神門というツボがあります。

飯島敬一さんは、この神門を長年研究されて、神門メソッドを開発しました。

かれこれ10年以上前、彼の奥さんが、ある朝、走って駅に急ぐ途中、転んで尾骨を折ってしまいました。

さあ大変です。

整形外科に行っても治療はできません。ギプスをすることもできないのです。

それから1ヶ月、丸めた布団の上に、海老のように丸くなってうつ伏せになり、ウンウン唸る毎日です。

そんなある日、飯島さんの友人が、八王子に仙骨専門の治療家がいるから行ってみたら、と勧めてくれました。

藁にでもすがりたい、と思っていた彼は、すぐに奥さんを連れて八王子まで出かけていきました。

治療院は、八王子駅の近く、マンションの一室にありました。

治療室の真ん中に、黒いベッド置いてあります。カイロプラクティックで使うようなやつです。

「ベッドにうつ伏せで寝てください。」と先生。

そして、先生は奥さんの両足に、小学校の上履きみたいな靴を履かせました。

で、白衣の胸のポケットからボールペンのようなものを出し、お尻の上で、カチカチ、鳴らすと、いきなり「コホコホ」と咳をし始め、両足に履かせた上履きをチェック。

次に窓を開け、手で何かを外に追い出すような仕草。

再び、お尻の上でボールペンをカチカチ、「コホコホ」、両足をチェック。

その繰り返し。

最後にベッドを操作し、「ガタン」と音がして、治療は終わり。

飯島さん、ポカンとする他ありません。

ほとんど思考停止に陥った飯島さんが奥さんを連れて帰ろうとすると、「次、君、ベッドにうつ伏せで寝て。」と先生。

「えっ! でも、僕どこも悪くないんですけど。」

「ダメダメ、とにかくうつ伏せになって寝て。」

半ば強制的に寝かされた飯島さんの耳に、あのカチカチという音、「コホコホ」という乾いた咳の音が、繰り返し、聞こえ、最後、ガタンという音とともに腰のあたりに軽い衝撃を感じて治療は終わり。

飯島さんの頭の中は、「?????」でいっぱい。

何の治療効果も見られないまま、家に帰って、再び奥さんはまん丸海老状態。

しかも、その夜から高熱が出始めました。

高熱は3日間続きました。

治療から4日目、飯島さんが仕事から帰ってくると、台所から鼻歌が聞こえます。トントントンとリズミカルに包丁で何かを切っている音までします。

飯島さんが、急いで台所まで行ってドアを開けると、

「治っちゃった~♬」と明るく笑って答える奥さん。昨日までまったく動けず、高熱だして、ウンウン唸っていたのに、普通に立って楽しそうに食事の支度をしているではありませんか。

「一体何が起こったんだ?」

飯島さん、すぐに八王子の先生に会いに行くことにしました。

 

 

2015年3月17日 ブログより